なぜ中国語メールは語順が重要なのか
中国赴任を控えた日本人駐在員にとって、最初の大きな課題が現地上司への中国語メールです。内容自体は理解してもらえても、語順を誤ると「稚拙に見える」「意図が誤解される」といったリスクが高まります。
中国語は日本語と違い、助詞がなく語順そのものが意味を決定します。つまり、文法よりも「語順パターン」を覚えることが最優先なのです。
中国語メールで必須の語順パターン10
1. 主語 + 時間 + 動詞 + 目的語
基本中の基本。報告や予定を書くときに必ず使う形です。
- 我明天提交报告。
(私は明日報告書を提出します)
2. 主語 + 地点 + 動詞 + 目的語
会議や出張など「どこで」を表すとき。
- 我们在上海开会。
(私たちは上海で会議をします)
3. 主語 + 已经 + 動詞 + 目的語 + 了
「すでに完了した報告」をする定型。
- 我已经完成了任务。
(私はすでに任務を完了しました)
4. 主語 + 正在 + 動詞 + 目的語
進行中の作業を伝えるとき。
- 我正在准备明天的资料。
(私は明日の資料を準備しています)
5. 主語 + 动词 + 完/好 + 目的語
「終わった」「仕上げた」など結果を明確に伝える。
- 我写完了报告。
(私は報告を完成しました)
6. 主語 + 没有 + 動詞 + 目的語
「まだやっていない」ことを報告。
- 我还没有提交报告。
(私はまだ報告書を提出していません)
7. 主語 + 要/打算 + 動詞 + 目的語
予定や意思を伝えるときに必須。
- 我打算明天拜访客户。
(私は明日顧客を訪問する予定です)
8. 主語 + 给 + 人 + 動詞 + 目的語
「誰に〜するか」を伝えるパターン。
- 我给您发送了合同。
(私はあなたに契約書を送りました)
9. 主語 + 因为 + 理由 + 所以 + 結果
報告や説明メールでよく使う「因果関係」。
- 因为客户推迟,所以会议延期。
(顧客が遅延したので、会議も延期になりました)
10. 主語 + 如果 + 条件 + 就 + 結果
条件付きの提案や依頼をするときに便利。
- 如果您同意,我们就开始项目。
(もしご同意いただければ、私たちはプロジェクトを開始します)
メールを書くときの注意点
- 日本語の感覚で「〜は」を挿入しない(語順で意味を示す)
- 「已经」「正在」「还没」など時間のニュアンスを入れると明確になる
- 「因果」「条件」の構文は必ずセットで使う
- 完了報告には「了」を忘れずに
日本語風に「明日、私は報告書を提出します」を直訳して「明天我报告提交」などと書くと、不自然かつ誤解されます。
ポイント
語順を正しく使えると、以下のメリットがあります。
- 上司から「読みやすい」「理解しやすい」と評価される
- 不要な確認メールが減り、やり取りがスムーズになる
- 「中国語が稚拙」という印象を与えず、信頼を築ける
- 誤解を避け、仕事のスピードと精度が上がる
まとめ
中国語メールは文法よりも語順パターンの暗記が重要です。今回紹介した10パターンを覚えるだけで、現地上司に伝わるメールが書けるようになります。
完了・進行・予定・条件・因果といった必須パターンを押さえ、駐在準備の段階で身につけておくことが、安心して業務を進める第一歩です。